(第52号) 2006年5月31日
政策調査情報 連合北海道 総合政策局
「道州制法案」めぐり道に質問、意見交換を実施
連合北海道は、5月19日に閣議決定された「道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案」をめぐり、この法案に対して肯定的な評価を与えている道側に対して、法案には反対の立場から道の考え方・姿勢について質し、意見交換を行った。5月30日、午後4時30分から約1時間にわたり行われた質疑・意見交換には、連合北海道の佐藤事務局長を先頭に「道州制特区推進法案に反対する対策委員会」のメンバーが同席し、道側は山本副知事が対応した。
冒頭、佐藤事務局長から今回の質問の意図について説明し、「この法案は道州制の名に値しない」し「今国会では廃案にすべき」と前置きした上で、「道州制については国レベルでしっかりと構想し、国と地方の役割分担をより明確にして改めて議論すべき」との主張を明らかにした。そして、これまでの道の対応には疑義があることから、連合北海道が今回整理した11項目にわたる質問について説明責任を果たすよう求めた。
連合北海道の質問に対する山本副知事の回答は、権限移譲に伴う財源が補助金ではなく全額交付金化されたことや、内閣に置かれる首相を本部長とする道州制特別区域推進本部に道知事も参与として参画し、「」国と地方が同じテーブルについて議論することができることなど、地方の自主性・裁量性に配慮した制度設計がなされているとし、この法案が地方分権を一層前進させる新たな仕組みを実現するものになっているとして評価する理由を説明した。
これに対し佐藤事務局長から、地方分権の大前提は国と地方の役割分担のあり方を明らかにすることが重要。その点が明確となっていないこの法律案は、地方分権の推進を図るものと評価できず、道の認識とは異なるとして、再度、山本副知事の見解を質した。しかし山本副知事は、「地方の意見を受け止める新たな装置が出来たことだけでも前進。その装置を北海道がいかに活用するかが課題であり、分権の理念が受け入れられたからこそ、この装置ができた」との肯定的認識を示すことに終始した。
論議は平行線のままだったが、連合北海道の質問に対する道側の回答案については、こちらから幾つかの指摘事項を提示し、今回の意見交換を踏まえて改めて文書により回答をもらうこととなった。
以上